就園前の療育へ通ってみて思う早期療育のメリットとデメリット。

発達障害について
acworksさんによる写真ACからの写真
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子どもが2歳半の頃、発達の遅れに気づいた私は幼稚園・保育園にあがる準備もかねて児童発達センターに通わせていました。

期間は1年半ほどです。

早期療育が肝心と言われていますが、実際に療育に通わせてみて自分なりに感じたメリットとデメリットについてお話しします。

児童発達センターってどんなところ?

簡単にいうと、発達に不安がある子どもが2歳ころから就学前まで通うことができる、
地方自治体が運営する療育施設です。

うちの地域に関していうと、1歳児・2歳児クラスは利用するにあたっての審査基準が厳密に設定されているわけではなかったので、
就園前で、子どもの発達に不安があるから療育を受けさせたいと思う方は、
誰でも利用することが出来ました。
ただ、一般的には存在自体あまり知られていない施設ではあるので、
児童発達センターを探し当てること自体が難しいかもしれません。

地域にもよりますが、大抵の場合は発達に関する不安を感じて保健所に相談⇒保健所が児童発達支援センターを紹介してくれる、という流れがあります。

私と息子が通っていた療育機関には1クラスあたり15組ほどの親子がいて、幼稚園・保育園の開放日の様子と同じような内容の授業が行われていました。
脳に良い(らしい)体を使った遊びやマッサージ?に似た親子体操をしたり、季節の制作やイベント、お誕生日のお祝いなどをして過ごします。
他には、身辺自立のための着替えやトイレの時間もあります。

すべての事がゆっくりペースで、より丁寧に進められていき、先生方はとにかく子供を褒めてくれます。
自己肯定感を高めるために、とにかく器用に視点を変えて子供の事を褒めまくります。

15組もいるのでちょっとダルい時間ではあるのですが当時は「これが療育かー」と思ったものです。

子どもたちは自分が褒められると嬉しそうにしたり照れたりするのですが、他の子が褒められているのを見てじゃあ自分も真似してやろう、となる子はいません。
そうい思考がある子だったらここに来ていないでしょう。

今思い返しても授業自体に療育の効果があったかどうかは謎ですが、
当時は同じ月齢の子との差が出てきた頃だったので、他の場所よりもストレスを感じずに通えていたことは確かです。(公園や児童館、園庭開放や遊ぼう会などではいつもヒヤヒヤしっぱなしでしたので)

療育の内容がどうこうよりも、親の心のよりどころだったり、
周りを気にせずに通える唯一の場所があるということが、とにかくありがたかったことを覚えています。

どんな子供が通ってる?

幼稚園・保育園に通わせるには発達に不安がある、というお子さんが通っています。

うちは軽度の療育手帳を持っていますが、当時通っていた1歳児・2歳児クラスに関して言うと、療育手帳を持っている子は意外と少なくて、半分以上はグレーゾーンの子でした。
グレーゾーンの子というのは、はっきりと診断があるわけじゃないけど発達に不安がある、というお子さんです。

そして通っている子どもは男の子の方が圧倒的に多かったです
1年目のクラスは受給者証の手続きが無くても通えるクラスだったので人数が多く女の子も数人いました。
2年目にもっと少人数のより療育の要素が強いクラスに移ったのですが、そこは全員男の子でした。
グレーゾーンの子が多いせいか、それほど突拍子もないことをする子はおらず
自分から見たら聞き分けが良くおとなしい子が多かったです。
そういう子はママが多少目を離しても大丈夫だったので隙あらばおしゃべりして
ママたちの憂さ晴らしの場所と化していました。

1年半通ってみた感想

メリット~通ってよかったこと~

当時、子どもと二人だけの毎日に気持ちが行き詰っていました。

子供が集まるような公園、図書館、児童館へ連れて行くと周りの子どもと譲り合って遊べない、じっとしていられない、周りに置いてあるものを手当たり次第に触る、注意してもわからないから親が咎められる、ということが多かったのです。

あれしちゃいけない、これは触らないように、ばかり子供に言うことになるので、
外で遊ばせることが逆に子供の自由を奪っているような時期で辛かったです。

家の中ばかりだと子供にとって刺激にならない、かといって気後れなく出かけられる場所が無くて本当に困っていたのです。週に一日でも、児童発達センターに行けることはかなり救いでした。

しかも、事情を知っている先生方、まわりのお母さん達も一般の人よりは理解があったので、他の場所よりは気を張らずに済むし、子どもも自由に振る舞うことが出来ます。
その環境だけで救われたしありがたかったです。

ある程度協調性があったり、おとなしいタイプの子なら抵抗感なく通える場所でしょう。

そして週に一回の先生との会話は、またこの一週間子供と向き合って行こうというモチベーション維持に不可欠でした。知識と経験が豊富な先生方の対応力はさすがで、とても参考になります。

例えば「嬉しい」「楽しい」など当たり前のような感情にもフォーカスして、表現できたね、と子どもを評価してくれます。
子どもの成長をたくさん発見することは、自分のモチベーション維持にもなるし、それを伝えてあげることは子供の自己肯定感を育みます。

そのことに気づけたことも大きなメリットです。

デメリット~嫌だったこと~

まずは授業自体に療育を受けている実感が無かったことです。
先生方のお話や対応はとても為になるのですが、授業のどのあたりが療育かと言われるとうーん・・・となってしまうので。

そしてもっとも大変だったのがママたちとの人間関係です。

もともとママ友という存在には心許していけないという警戒心があったのですが
ここへ通ったことでその想いはさらに強くなりました。

特に2年目の少人数クラスとなると、子どもとの関係もあるためママたちと
協力して進める授業があったりと、やむを得ずお付き合いしなければならないのですが、これがどうにも苦痛でストレスでした。
それでも週に一回必ず同じメンバーで顔を合わせるので子どものことを考えると関係を無下にはできず、ママたちの自慢話とうわさ話に付き合いました。
うちの子は活発で目立つタイプだったのでそれも含め気に障ったのでしょう。
嫌がらせを受けてママ友がトラウマになっています。
「子供の発達」という悩みの不思議な結束力のようなものが生まれやすい特殊な環境なので、嫌がらせやマウンティングも起こりやすいのだと思います。

前回のブログでASD(自閉症スペクトラム症)が遺伝することについて書きましたが、まさにそうなのかな、と思う方もいらっしゃいました。児童発達センターに限らず療育施設に通う際はママたちとのお付き合いにはいつも以上に警戒しておいたほうが良いかもしれません。

まとめ

児童発達センターは、ママたちの心のケアをしたり、同じような悩みを抱えた者同士の交流の場を提供することによって、ママたちの育児ストレスを軽減し、結果的には子供の為になっているのだと思います。

子どもの特性について考えたり、常に意識することができるので、子どもの負担や困りごとを改善することが出来ますし、子供との関わり方のヒントはたくさん得られます

ただ療育に行くだけですべて解決するわけはなく、むしろ、その子にあった支援が何なのかを見極める課題と向き合って行くことになります。
早期療育をしたからと言って必ずしも発達の遅れを取り戻すことができたり社会的自立がスムーズにいくわけでもありません。

すぐに成果を求めないこと、長期的な視点で療育をうける心構えを持ってすれば早期療育の役割は十分にあると言えると思います。

 

 

 

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