特別支援学級に就学した理由と実際行ってみて思うこと。

子育て
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こんにちは。ハッチェです。

今回は自閉症スペクトラムの息子の就学先を特別支援学級にした時の事についてお話しします。
うちがなぜ特別支援学級を選んだのか、実際小学校へ入学してからの子どもの様子と周りの反応についての現状をお伝えします。

あくまでうちの場合に関する内容となりますが、今後お子さんの就学先で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

特別支援学級に行く決心がついた言葉

2歳で自閉症スペクトラムの診断を受けてから特別支援学級のことが頭になかったわけではありませんが、大学病院の先生のところに行った時のこと。
主人が先生に何気なく質問した「小学校で特別支援学級へ行く可能性」。
それについて先生は一言だけ即答されました。

「特別支援学級しか無理でしょうね。」

この言葉を就学までまだ一年以上ある時点でハッキリ言われてしまったのです。

特別支援学級のことは頭の片隅には有ったとはいえどこか他人事ととらえていたのか、突然の断言は相当なショックを受けました。

大学病院の先生のおっしゃる理由は以下のとおり。

仮に普通学級に入ったとして、低学年のうちは授業中座っていることくらいはできると思う。
けど、1年か2年か3年か、普通学級で◎◎君が頑張るのは、ただ席に座っていることだったり、静かにしていること。ただ、そういったことに注力するだけの時間。
授業に集中したり理解することは難しい。
個別対応が望めない普通学級では学習はどんどん遅れて行くし
大集団の中で過ごすことにストレスを感じる特性のため精神的負担も大きくなる。

だったらむしろ初めは普通学級に在籍することにこだわらず、
高学年になったら普通級に行くことを目指すべき。
1年、2年から、伸ばしてくれたり補ってもらうなど個別に対応してくれる支援学級で学ぶ方が有意義。

厳しくはっきりした先生の理論。
とりあえずとか、居られるうちは普通学級に、という考え方は絶対にしないほうが良いということに夫も私も納得。
特別支援学級に進学することはこの時点で決心しました。
小学校でより大人数の集団で過ごす環境は、息子の精神的負担が大きすぎる心配があったのも確かなので、早い段階で大学病院の先生に的確なアドバイスをいただけたことは結果的に良かったと思っています。

保育園時代

集団生活によるストレスと自己肯定感の低下

ここで少し保育園時代のことについてお話しさせてください。
うちは発達援助枠で通っていました。

集団生活が苦手な息子ですが、先生方から伝え聞く園での様子は、きちんと切り替えが出来て、行事の練習も率先して取り組み、苦手な集団生活にも対応しているというもの。
家とは別人かと思うことばかりでした。
きっと外ではとてつもなく気を張っているのでしょう。
息子にとっての「社会」である保育園で目いっぱいがんばっているのです。

保育園の先生方は、ありがたいことに、いつも息子の気持ちに寄り添って対応してくださり、良いところをいっぱい褒めてくださいました。

園に対する不満はまったく無くて、今思い返してもここに通うことが出来て良かったと感謝しておりますが、やはり健常児と混じっての集団生活は息子に社会性が身に着く一方でストレスも多くかかっていたことでしょう。

集団生活で過ごし学んでいくことは将来的に必ず必要な事ですが、私は息子が自分らしくのびのびといられる環境に居てほしいのが私の願いです。
保育園に入る前の息子は、明るくて人懐こくて面倒見が良くてリーダーシップをとりたがるタイプでした。
けれども周りのお友達は、自分よりも常に2歩も3歩も先を歩いている状態。成長が早くてあっという間に色々なことが出来るようになってしまう子たちに囲まれて、息子がだんだん自分に自信を無くしてしまっているように見えました。

アウェー感

保育参観や運動会、劇の発表会などの年中行事では、どうしても周りの子と違う行動をして浮いてしまうことがありましたが、保育園での3年間は随分がんばって成長したんだなぁと思います。
行事本番の様子しか実際わからないし、園での普段はまた違っているのかもしれませんが、息子の中の様々な感情と葛藤しながら大勢の中で頑張っていた姿・表情を私は一生忘れないでいたいです。

保育園では健常児との明確な境界線が無かったので、相手によっては不快感をあらわにしてきたり、悪意のある言い方(近寄るななど)をしてくる親もいて辛い思いをしたこともありました。
私自身も、息子なりの親しみを持った振る舞いを必要以上にとがめたり、自由な行動を押さえつけたくないと思っていても、周りに迷惑をかけていないかを気にしすぎるようになって、だんだん息子の行動を注意することが多くなっていたように思います。

実際に特別支援学級に入ってみて

覚悟していた周りの目だけれど・・・

学校が始まる日が迫ってくるとわが子の成長第一で選択した特別支援学級状況のはずなのに、いざとなると心理的にどこかさらされる恥ずかしさがありました。
特別支援学級というはっきり区別された場所に在籍することで、
周りからどう思われたり扱われるかを考えてしまうのです。
私自身、もっとも気がかりだったのが朝の登校班
息子の特性からしていきなり登校班の上級生に任せるのは心配でしたし、学校サイドからもしばらく付き添いをお願いされました。
自宅から学校まで40分弱。登校班は唯一普通学級の子どもたちとがっつり接触しなくてはなりません。
うちだけが学校まで付き添っている事や、何か答えにくいことをきかれたりするんじゃないか。相手は悪気が無くても嫌な気持ちになる事を言わるのじゃないか、と考えると嫌で仕方ありませんでした。

他の学校に通わせているお母さんが、登校班の上級生の子が「またか。ついてくんなよ・・」ってボソッと言われたときいたことがあったのです。

何か言われることは覚悟していたとしても、理不尽で傷つく言葉です。

ちなみに、同じ保育園から同じ小学校へいく子どもやママたちに、「どうして○○くんは通常のクラスじゃないのか」と聞かれたときは、「病院の先生と相談して決めたんだよ」と言うことに決めていました。
それ以上は察して聞かないでほしいという意味も込めて。
小さいころ通っていた療育でママ友に懲りてしまったので、小学校でもママたちと必要以上には親しくしたくないのです。
嬉しい誤算だったのは、自分の記憶と経験から想像していた「小学生」よりもみんな優しくて良い子たちでしたww。そもそも学年も性別もバラバラで構成されている登校班なので朝はみんなもくもくと学校へ向かって歩くだけです。おしゃべりして馴れ合う雰囲気ではないので今のところ余計な詮索は一切されていません。

特別支援学級に入ってからの息子の変化

特別支援学級の上限は8人ですが、息子も含めてクラスは4人だけなので、先生の目が十分行き届くありがたい環境にありました。
クラスメイトもみんな素直でやさしい子たちばかりで、息子も居心地が良い様子。
大人もそうであるように、人間関係が楽しく感じたり苦痛になったりを大きく作用するので、大切な部分が恵まれて良かったなと思います。
嬉しかったのが、小さいころから通っている放課後等デイサービスのスタッフの方から
小学校に行くようになってから表情が良くなったと言われたことでした。
一時期はデイサービスに行ってもひとり部屋の隅にいた息子。
小学校にあがってからは気持ちが安定したのか、積極的にお友達と関わったり取り組みに参加する様子が見られるようになったとのことでした。表情もいきいきとしているそうです。
小さい頃は本当にのびのびと自由奔放で、目立ったりリーダーシップをとるのが好きな性格の子だったのに、だんだんどこか一歩引くようになっていって、表情が硬かったり情緒不安定になることがあったのでデイサービスの方たちも、今が良い環境なんだね、と言って下さいます。

まとめ

懸念していた、特別支援学級だから周りから特別な目で見られる、避けられる、いじめられる、といったことはありません。
子供たちに対して具体的にどういう言葉で支援学級について伝えているのかはわかりませんが、支援学級の子たちに優しく接するようにと学校側が指導しているようです。
むしろ、以前よりも周りの目を気にしたり、非難される心配事が減って息子も私自身も精神的な安心感が得られました。
授業も特性に配慮した教え方やペースで進めてもらえるので付いていけなくなる、ということもありません。
何より特別支援学級に入ってからの息子はのびのびとして自分らしさを取り戻しつつあることが一番うれしく思います。

特別支援学級に入れるということに抵抗を感じる方が多いとは思うのですが、
先入観と実際は違うということもありますし、何よりうちの場合は子供の表情を見ているとうちはこの選択をしてよかった、と心から思っています。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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